平成28年 2月  「四つの心」


『四つの心』

 

 私たちはお釈迦様の何らかの教えに触れる時、素直に頷くことができると思います。一方で「でも実践するのはなかなか難しいなあ、私はできていないなあ」と、現実と教えの差を感じているところがあるかと思います。それは当然です。完全にできたならば、それこそ仏さまです。ただ無理だからと諦めてしまわず努力し学び続け前へ進んでいこうとするのが仏教徒です。お釈迦様は学び続けなさい、と教えておられるのです。

 

 『四つの心』の教えがあります。「慈しみ・あわれみ(悲)・喜び・無執着(捨)」の心です。

 

○怒りを克服するために、慈しみを学びなさい。それは共に寄り添い、他者に幸福をもたらし、あなたも幸福が感じられます。

○残酷さを克服するために、あわれみを学びなさい。それは共に寄り添い、他者の苦しみをやわらげ安らぎが感じられます。

○憎しみを克服するために、喜びを学びなさい。それは共に寄り添い、他者の成功や幸福を望む時に生まれる共感する喜びです。

○偏見を克服するために、無執着を学びなさい。それは開かれた心で、すべてを平等にみる力であり、美しい心の現れです。

 

 慈しみもあわれみも喜びも無執着もないわけではありませんが、怒りも残酷さも憎しみも偏見も私たちの心の中にあります。どちらも持っているからこそ、その必要性も知っています。お釈迦様は教えておられます、あなたに問いかけておられます。「あなたは学び続けますか、努力していきますか」と。もちろん「はい、私は学び努力し歩み続けてまいります」と答えられますよね。まだまだ至らず、なかなかできていないからこその教えと受け止めましょう。特に無執着(捨)は難しく思えます。どうしても偏ったものの見方や考え方をしてしまう自我は頑固ですから。だからあえて、このように唱えて『四つの心』の教えを繰り返し心に刻んでいきましょう。

 

「わが心に慈しみありてかたよりなし」

 

「わが心にあわれみありてかたよりなし」

 

「わが心に喜びありてかたよりなし」

 

「わが心開きみればすべて平等なり」